<   2016年 05月 ( 1 )   > この月の画像一覧

水門ゲート閉鎖装置の模型製作物語

(株)朝日技研様から人力や電力を使わず、地震発生時に自動で堤防に有る水門ゲートが閉鎖する装置を製作しているが大きくて重く、展示会等に持って行けないので同じ機能を有した縮尺模型が出来ないだろうか?とのご相談を受けました。

原理は、ウエイトが地震に反応して下に下るエネルギーを回転方向に変換し、ゲートを横方向に転がすメカニズムでまずは実物の取材を行う為、本社工場に。
e0146402_15191845.jpg

そこには何時でも起動出来る 実物大モデルが有りまして動きも見れました。



先日、無事納品が終わりましてクライアント様の公開許可を得ましたので模型が出来上がって行く過程をご覧下さい。

【製作に当って】
今回のような可動する模型製作案件は、まず質量の違いで実物のような重厚な動きが卓上で可能なのか?が一番の鍵になります。

そこで上手く完成させる模型の構想として
1、展示スペースや搬送等を考慮しながら出来るだけ大きく作る。
2、転がり抵抗を極力減らす為、回転部にベアリングを使用する。
3、部品加工と組み付けの精度を上げる。
4、メインのウエイトとカウンターウエイトがそれぞれ調整出来る。
5、模型を地震のように揺らすとロックを解除する機構を複数案用意し、仮組みしながら最良の方法を決定する。
6、ゲート閉鎖速度を自由に調整出来る事。
7、予算と納期に有った材料と部品加工と組立方法の思案。

【部品製作】
実物をモデファイし、模型ならではの構想設計が固まりますと3Dデータを作成いたします。
e0146402_15442587.png

e0146402_1545319.png

これを元にクライアント様とさらに詳細な打ち合わせを行って承認を頂きましたら必用材料の手配と部品の製作にかかります。

今回は起動部と増速ギアボックス、制動機構に納期を短縮する為に既成品のギアやベアリング類を設計に組み込み、使えるパーツが無い部分は手作りする事に
e0146402_15501687.jpg

コツコツ作るのは得意なので
e0146402_15515189.jpg

特殊な物でも手持ちの工具と材料で自由自在
e0146402_15531930.jpg

思い通りに出来上がると快感です!

【組立試運転】
部品が揃うと逸る心を抑えながら即刻仮組みして懸念の動きのテストを繰り返しますが



この地点ではまだまだ動きがレベルに達していませんので深夜に及ぶ改良と調整の連続に私の笑顔が有りませんがその後、目処が立ってきまして



動きが実物に近づいて来ました♪

パトライトもゲートが動き出したら点灯させたいとの要望も有りまして
e0146402_1634506.jpg

発光ダイオード、ボタン電池、極細のマイクロスイッチをゲートに仕込んで



目標達成!実物はゲートの車輪と連動した発電機やソーラーバッテリーで作動させるそうです。

【最終仕上】
残るはお化粧です。
e0146402_16453282.jpg

クライアント様とデザインを打ち合わせの上
e0146402_16484141.jpg

シールを作成して模型に貼り付けます。

そして完成の試運転



この模型は、6月早々から名古屋〜大阪で展示されるそうです。
by thermal-kobo | 2016-05-29 16:59 | サーマル工房で出来る事 | Comments(0)