ミニモア実機について

いよいよミニモア1/3キットの発売が目前に迫ってきましたのでのでここでミニモアについて弊社アドバイザーであるヴィンテージグライダー研究家の川鰭氏に解説して頂きましたのでご紹介させて頂きます。

<Minimoa 36>

肩翼カンチレバー方式の単座機「Minimoa」をベースとして、これを中翼に改造した
「Minimoa36」登録番号「D-15-970」は、1936年6月9日に、その第プロトタイプ第一号機が完成した。

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「Minimoa36」への改造に際しては、35年型肩翼「Minimoa」がその原型機
「Grunau7 Moazagotl」(Edmund Schneider の手狭な工場で製作
された スパン20mの Wolf Hilth愛用
の支柱付ガル翼機)から受け継いだ、オールフライングのハイマウントな水平尾翼を
より低い位置にマウントしなおす(この方式は高速域においてエレベーター効果をよ
りセンシティヴにしす
ぎた)と同時に、中翼にすることでパイロットにとってはより広い視野を確保するこ
とに成功した。

また、主翼上面のみに開く形式のスポイラは上下面に開くDFS方式に改められ、内
翼のフラップは廃止された。

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さらに、ラダー面積が拡大されると同時に、ラダーマスバランスが標準装備
とされた。さらにコックピット後部の胴体上面には翼面荷重を増して高速巡航を可能
にするための水バラストタンクが設置された。

こうして、“Graceful Gullwing” とも称賛された最も美しいガル翼機の一機である
Go3「Minimoa36」(36年型ミニモア)は、1936年から1940年にかけて量産が行わ
れ、それまでの機体に
比して、種々の興味深い革新的な改良がなされ、110機以上が生産された。


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またこのシリーズは商業ベースとしてみても非常に成功したモデルであった。上述の
ように、パイロットの視界確保を考慮した中翼配置とし、また、ブレーキ付の単車輪
を装備し、さらに十分
な有効性を備えたDFS式スポイラを装備した主翼は、この機体に優秀なコンペティ
ションモデルとしての性能を発揮できることを約束した。こういうわけで Go3
「Minimoa36」 はコンペティショ
ンにおいて実戦で闘える高性能な工場量産機としての最初の滑空機となった。

木製滑空機としては大規模な量産が行われた本機は、 それらのうちの13機が輸出さ
れ、その輸出先はフランス、 スイス連邦共和国、 イギリス、アメリカ、日本、アル
ゼンチン、南アフリカ共
和国にまで及んだ。

少し話がそれるが、古い記録では3機のみ製造された肩翼式の「Minimoa
(35)」のうちの2機が日本に輸出されたことになっており、そのうちの1機である
プロトタイプ初号機はヒルトが陸軍
の招聘を受けて1935年(昭和10年)10月にデモンストレーション飛行のため来
日した際に、クレム、Go1と共に持ち込まれ、そのまま国内に残された。後にこの
「Minimoa35」初号機は旧大
阪毎日新聞社の社有機となった、もう一機に関する詳細は不明であるが、ヒルトの来
日の後に、新たに追加発注(旧日本陸軍が購入か?)され、のちに満州に運ばれて豊
富な大陸の熱上昇
風を利用しての滑空試験が行われたようである。
この肩翼の「Minimoa(35)」を参考にして、陸軍の要請でキ−25�、キ−
25�型が、Go3とほぼ同緒元で開発されたが、キ−25�は重心位置の設定に失
敗し飛び上がることができず、
翼荷重試験に供され、キ−25�は、霧ヶ峰で無事試験飛行に成功したが、開発の急
を要さないという理由でいずれもプロトタイプ1機のみの生産に終わった。キ−25
のGo3と異なる外見
上の大きな特徴は、Go3では外翼から始まる主翼前縁の後退角が内翼から翼端に向
かってストレートにつけられていたことであった。



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by thermal-kobo | 2008-04-10 20:35 | 実機資料 | Comments(0)
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